手がしびれるのは物が持てなくなったり、脳卒中や寝たきりになる危険信号です。早めの受診が大事です。
手のしびれと一口に言っても色々な種類があって、手のしびれ方で病名がある程度わかります。先日NHKの「ためしてガッテン」で手のしびれの中で、○物が持てなくなる手のしびれ、手根管症候群。○手のしびれと口がしびれる、手口感覚症候群。○両手のしびれは頚椎性脊髄症があると言っていました。このうち物が持てなくなる手のしびれは、ふくらはぎなどに圧力が加わって血管が圧迫されると血液の流れが悪くなります。そうすると血液不足になって、でたらめな信号を脳に送ります。手と脳の間のどこかで血管が圧迫されていることになります。手根管とは手の中にある神経が通っている管には親指、人差し指、中指の半分の神経が入っています。この手根管の中の神経が長く圧迫された状態が続くと、神経から筋肉への指令がとどかなくなる。神経からの指令が届かなくなると筋肉はやせてきます。手根管症候群を簡単に自分で見分ける方法があります。手首を下に90度曲げて、手の甲同士を合わせます。そうすると1分程度で指のしびれが強くなると、手根管症候群になっていると思われます。
手のしびれ以外に口がしびれる症状が同時にあると脳卒中の疑いがあります。NHKの「ためしてガッテン」ではおもしろい実験をしていました。それは焼き鳥のクシ2本を引っ付けて、体の色々な部分に当ててみると二つに感じる場所と、二本なのに一つにしか感じない場所があります。指先は二本に感じますが腕は一本にしか感じません。指先と同じようにクシの先を当てて二本に感じるところは口です。脳の中で視床と呼ばれる部分は脳から全身へ指令を出す中継地点です。視床の中には感覚を司る領域があります。ここで広い部分を占めているのが手と口です。だからここで出血などが起きると手と口が同時にしびれがおこります。これが脳卒中の一つの症状で手口感覚症候群といわれる病気です。視床で出血が起きると、他の部分でもいつ何時出血が起きるかわからない状態です。ですから、手と口の両方にしびれがある場合は一刻もはやく脳神経外科か神経内科で医師の診察を受けましょう。
頚椎症性脊髄症は首の病気の中でも怖い病気で、手のしびれと共に歩行困難になります。
首の骨が脊髄を圧迫してしまう。脊髄に障害がおきると最初は両腕にしびれが出ます。この状態をほっておくとさらに脊髄の圧迫がひどくなって歩けなくなることもあります。このしびれの兆候は上を向いた状態、つまり首の骨で脊髄を圧迫した状態を作ってみると、しびれがあるとこの病気の疑いがあります。美容院で髪を洗ってもらう状態でしびれたらこの病気の疑いがあるということです。歩行障害があるようですと手術が必要になってきます。このように単に手がしびれるという状態も色々な病気が考えられます。手のしびれが脳卒中の危険を身体が訴えているのかもわかりません。脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの怖さは、そのほとんどが突然に襲ってくることです。そして治ったとしても運動障害や、言語障害、記憶障害などの後遺症が残ります。手のしびれはこうした病気の兆候かもわかりません。